[ (10)足の臭いと靴の関係 ]
“足の臭いは男性だけでなく、
女性も気になるもの”
足の臭いと靴は一見関わりがないようですが、
実は足に合う靴を履くことによって
臭いを軽減することもできるのです。
足から出る汗
人の体の中でも最も多くの汗腺がある部位が足です。汗により常に足裏をある程度の水分で軟らかい状態に保つことができ、歩くときに必要なしめりを与えています。足裏の適度なしめりは、滑りを止めたり摩擦を軽減する働きがあります。
汗には二つの性質がある
< エクリン性 >
体温調節のために発汗する汗。無色、無臭で多少の塩分が含まれるため味があります。運動をするときに出る汗がエクリン性の汗です。
< アポクリン性 >
神経作用が原因で発汗する汗。やや黄色の色があり、臭いもありますが味はありません。首周りのシャツに黄色い汗染みができるのはこのアポクリン性の汗によるものです。緊張や興奮したとき、疲れたときに出る汗がアポクリン性の汗です。
臭いの原因
アポクリン性の汗はなぜ臭うのでしょうか?それは汗に含まれるオスミウム酸という物質によるものです。足の臭いはこのオスミウム酸の臭いなのです。分泌されるときは水分で薄められますがその濃度には個人差があり、濃い人ほど臭いが強くなります。
足に合わない靴を履くと疲労が増し、多量のアポクリン性の汗が出るので臭いの原因を引き起こすことになります。ですから足に合う靴を履くことが大切です。足に合う靴を履いて歩くと“ふいご現象”が起きます。これによって靴の中の通気性が良くなるため、足の蒸れ防止に効果的です。さらに革は動物の皮膚です。ですから革にも毛穴があり、汗を靴の外へ放散する働きがもともと備わっています。また、多量の汗により足が蒸れないように通気性が良く吸湿性のある靴や靴下を履いて、靴の中を清潔な状態に保つことも大切です。