のさかで働き始めて半年ほど経ちました。
まだまだ靴の知識量は足りませんが、先日聞いた話がとても印象的だったのでお話します。
のさかの靴がオーダーメイド(フルオーダー)ではなく、セミオーダーや既製品を主軸としている理由です。
一般的なオーダーメイドってお客様のためにお客様にピッタリ合わせた物を提供するという感じでしょうか。
洋服とか鞄とか一点物ってなんだか特別で素敵なイメージです。
靴のオーダーメイドと聞いて足にピッタリ合わせた靴を作ってくれるんだというような印象を持たれる方も多いと思います。
道具は使う人次第
のさかはのさかがセレクトした靴をお客様の足に合わせてお渡ししています。既製品を調整する感じですね。
お客様の足に合わせて調整しているのだったら、はじめからオーダーメイドした方がピッタリ足に合うんじゃないかと思う方もいるでしょう。
けれども既製品だからオーダーメイドに劣るとのさかは思っていません。
靴を合わせる人がその靴の特徴を知っているならば、既製品の靴もオーダーメイドした靴よりも足にピッタリとくることがあるからです。
人の手ではない機械の作業が入ることによって履きやすくなるということもあるそうです。
もちろん全ての既製品がいい訳ではないのでそれを見極める目が必要になります。
だからのさかは長年の経験を生かし厳選した靴をお客様にお勧めしています。そしてその経験により履きやすい靴を揃えることができているのです。
ピッタリをどうとらえるか
実際オーダーメイドの靴って意外と履きにくいとおっしゃられる方もいらっしゃるようです。
どうしてそういう声があがるのか。
それは私達の足が生活していく上で様々なトラブルを抱えているからです。
生まれつきであったり、仕事上であったり様々な状況と理由で思い当たるような不都合を抱えている方が多いのではないでしょうか。足は私達の体を支える大事な部分ですからちょっとしたトラブルでも大変なことになったりします。
だからこそ、そんなトラブルを抱えた今の自分の足の形をしたの靴を作ってもらっても、それは本当にいい靴で歩きやすいとは言えません。
のさかはお客様の抱えたトラブルや体の歪みを正しい方向、姿勢に導くように細かく調整してお渡ししています。
確かにお客様の足に合わせているけれど何に合わせるかと言われれば、足が支えている体が正しい姿勢になるように合わせているのです。
ただ合わせるのではなく今後のお客様の足を、体をいい方向に導けるように合わせているのです。
徐々に調整していくうちに足の形も変わっていくだろうし、体の形も変わっていくでしょう。
トラブルが減れば歩くのもさらに楽しくなります。
そういう靴が本当に意味でお客様にとっていい靴なのではないかと思いました。
本当にお得なのはどちらか考えてみると
もしそういうことを含めて、足のことを熟知した腕のいい職人さんに初めから靴を足に合わせて作って貰えたとしても一度で完成する訳ではないので、何度も何度も微調整が入りますからものすごくお金がかかる場合があります。
世界には靴作りに精通した腕のいい靴メーカーがたくさんあり、足と靴の相性さえぴったり合えば、オーダーメイドした靴に引けを取らない履きやすい靴がたくさんあるのです。
ポイントをしっかり押さえた職人さんが企画し、工場のラインの中で人の手と機械の合わせ技で作られた靴は、履き心地もよく、手ごろな価格で手に入れることができます。
一番長く履いている靴こそ、一番履きやすく足に合ったものにしていただきたいという想いから、のさかは高価なオーダーシューズではなく、質のよい既製品を中心にラインナップしているのです。
まあそれでもちょっと値段が高くて買うのに勇気がいるという方もいらっしゃるかもしれませんが、のさかの靴は使い捨てではなく、修理をして、トラブルが出た時には再び調整したりして長く履くことができます。上記したように楽しく歩ける靴ですから、健康にもとてもおすすめです。適度な運動が出来る体作りは大切です。そんな感じで長い目でみてとてもお得なのではないかと思いました。
靴を履く機会の方が多い現代でどうせ履くならば、体にも財布にも優しい靴を選んでみてはいかがでしょう。
のさかがオーダーメイドを主軸としない理由いかがでしたでしょうか。
特徴さえ理解していれば既製品の靴も履きやすいこと、のさかがお客様が正しい姿勢になるように靴を合わせていること、特別な靴ではない普段履きの靴を提供していること。
この話を聞いた時、自分の価値観がいい意味で変えられたのにものすごく素直に納得できたので、のさかってすごいなと思いました。
裏付けられている理由がきちんとあって、見た目は靴を売る仕事ですがそういう視点だけで物事が考えられていません。
そしてそういう考えで実際に個々のスタッフが動いている訳ですから奥が深くて面白いなと思いました。
そう言う意味でいくとのさかの靴は調整するスタッフの腕も加えて一点物。
それってあれれ?
なんだ。
特別で素敵なイメージなのではないでしょうか。